行政書士の権利擁護活動を紹介します。 
高齢者・障がい者・外国人・性的マイノリティ(LGBT等)・子ども・女性に対する分野を重点活動領域とし、すべての人の権利が守られる健全な共生社会の実現に貢献します。 
権利擁護推進委員会は、日本行政書士会連合会が掲げる、行政書士の権利擁護に関する基本理念と活動方針に従って権利擁護に取り組んでいます。

行政書士の権利擁護に関する基本理念

日本行政書士会連合会

行政書士は、基本的人権を尊重し、すべての人の権利を擁護するとともに、調和と真心をもって国民の生活向上と社会の繁栄進歩に貢献することを使命としています。 
また、「国民の権利利益の実現に資する」という行政書士制度の目的に鑑み、行政書士の社会的役割を強く自覚し、地域に根差した権利擁護の取り組みを通じて、すべての人の権利が尊重される共生社会の実現に寄与します。

権利擁護に係る活動方針

日本行政書士会連合会
権利擁護推進委員会

  1. 背景 
    私たち行政書士は、許認可手続き及び権利義務・事実証明に関する業務を通じて、国民の権利の実現やその侵害防止を図り、権利擁護に努めてきました。 
    そして、令和元年12月4日に公布された改正行政書士法(令和3年6月4日施行)の第1条目的に「国民の権利利益の実現に資する」との文言が追加され、従来から行政書士が国民の権利の実現とその侵害の防止に携わってきた実状が反映されました。
  2. 展望 
    また、国連では、2015年に2030年アジェンダとして「誰一人取り残さない」SDGs(持続可能な開発目標)が採択されました。そこで、個々の行政書士が、権利擁護に対する意識を高め行動することが、国際目標であるSDGsの達成にも繋がり、行政書士制度を持続的に向上させるものと考えます。 
    誰一人取り残さない社会の実現を目指し、多様な人々の声を行政などの社会の隅々にまで届けるためにも、私たち行政書士は、今まで以上に権利擁護を推進することが肝要です。
  3. 活動方針 
    行政書士として行う権利擁護活動のあり方を内外に示し、行政書士の法律専門職としての信頼をより強固なものとなるように努めます。 
    そして、高齢者、障がい者、子ども、外国人、女性、性的マイノリティ(LGBT等)に対する分野を重点活動領域とし、次の行動指針により、すべての人の権利が守られる健全な共生社会の実現に貢献します。

◆行動指針

(1)国民に対する権利擁護に関する普及啓発活動を積極的に展開します。 
(2)行政書士の権利擁護への関与についての調査、研究及び周知等を行います。 
(3)権利擁護を推進するための提言と関係団体等との連携を行います。

「LGBT」は、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字をとって組み合わせたもので、性的マイノリティの方を表す総称のひとつです。

関連するお知らせはこちら

Myじんけん宣言

日行連では、行政書士が行う権利擁護活動の一環として、法務省人権擁護局が運営する「Myじんけん宣言」プロジェクトに参画しています。 
行政書士は、日々の業務を通じて、国民の権利の実現やその侵害防止、権利擁護に努めています。 すべての人の権利が守られる社会の実現に寄与するため、これからも権利擁護の意識を醸成し、行政書士としての権利擁護活動を推進してまいります。

高齢者・障がい者分野

活動内容

高齢者・障がい者の方々の基本的人権や財産を守ることはとても大切なことです。超高齢社会では独居高齢者が増加しており、認知症などコミュニケーションが困難な状態や判断能力が低下した場合には、成年後見制度を利用した支援が必要になります。相続、遺言、財産管理、介護、施設への入所等、様々な心配や不安のご相談をお受けします。 
また、精神障がい者や知的障がい者の方々に対する権利侵害や差別、偏見などの問題も看過することはできません。精神障がい者や知的障がい者の方々の権利擁護を図り、楽しい日常生活を送るため、法的支援に関する活動、各種制度及びその運用の改善に関する活動、相談会の開催等を行います。 
これらの実現のためには、地域社会との連携が重要です。行政書士は地域社会の中で、県・市町村等行政機関や福祉関係者ほか、様々な関係機関や団体等とネットワークを構築し、高齢者・障がい者の方々の権利擁護支援活動を推進します。

行政書士は、次の関係団体と連携し、成年後見制度等の権利擁護を推進しています。

詳しくはパンフレットをご覧ください。

行政書士の成年後見制度専門職団体

公益社団法人 コスモス成年後見サポートセンター 
一般社団法人 北海道成年後見支援センター 
公益社団法人成年後見支援センターヒルフェ 
NPO 法人 おかやま成年後見サポートセンター

外国人分野

活動内容

行政書士は、国家資格者として、外国人の方々の日本における在留資格の手続き、帰化手続き、起業などをサポートしています。 
在留資格や帰化の許可を得るということは、日本に入国・在留する外国人の方々の権利を実現するということに他なりません。行政書士は、これらの申請手続きのサポートを通して、彼らが希望する生活、人生が送れるよう、日本での生活基盤づくりに寄与しています。

取組事例

  • 外国人の在留資格や国籍、起業、国際結婚・離婚・認知等について幅広く相談にのり、外国人の方々の権利の擁護に貢献しています。
  • 地域の企業が外国人の受け入れを行う際に、公正な事業慣行の推進を支援します。企業を直接サポー卜したり、地域の支援センターに相談員やセミナー講師を派遣することによって間接的に支援しています。
  • 地域の外国人支援ネットワークの一員として、地域の課題解決に取り組み、多文化共生推進に寄与します。
  • 日本で暮らす外国籍の子どもたちが将来の就職を考える時、在留資格について併せて考える必要があります。その夢を叶えるためには、適法に就労することができる在留資格を持っているか、もしくは得られる状況にあるかを確認することが必要です。そのために、外国人の方々に必要な情報を届けて必要な準備を促したり、行政や支援団体等に働きかけて課題を抱える子どもたちの早期発見に努め、連携をして解決を目指します。
  • 外国人労働者の人権を守るべく、企業に対して法令遵守の意識啓発を行います。また、人権侵害が 発生していると見受けられる場合は、関係諸機関と連携して、問題解決にあたります。

詳しくはパンフレットをご覧ください。

LGBT等分野

活動内容

行政書士の業務として、相続・遺言に関する業務や任意後見契約書等の契約書作成、在留資格申請の各業務は、一般的な業務と言えます。しかしながら、こうしたサポートを必要とする方には、実は、LGBT等の性的マ イノリティの方々も含まれていることはあまり知られていません。 
行政書士がこれまで以上に権利擁護やLGBT等の方々に対する意識を高め、LGBT等の方々の権利利益の実現に資することができるよう、次の活動を行います。

(1)国民に対する権利擁護に関する普及啓発活動を推進します(研修、セミナー、出前授業の実施、日行連ホームページへの掲示、パンフレット、チラシの作成、VODの活用、セミナーなど)。 
(2)LGBT等の方々が相談しやすい環境づくりのため、各地域の当事者団体や権利擁護を推進する関係団 体等との連携を推進します。 
(3)関係団体等との連携やイベントへの参加等を通して、LGBT等の性的マイノリティの方々に対する相談体制の構築を推進します。 
(4)LGBT等の性的マイノリティの方々の権利擁護に関する法律等の調査、研究や実態調査及び周知等を検討してまいります。また、国・各省庁等への提言、意見書等の検討をしてまいります。 
(5)LGBT等の性的マイノリティの方々を含むすべての人の権利擁護の推進のため、課題解決に取り組み、 誰一人取り残さない社会の実現に寄与します。

詳しくはパンフレットをご覧ください。

子ども・女性分野

活動内容

(1)在留資格が外国籍の子どもたちの進路や夢を阻むことがあります。このようなことを防ぐために、外国人の方々に必要な情報を届けて必要な対応を促したり、行政や支援団体等に働きかけて課題を抱える子どもたちの早期発見に努め、連携を行ったりして解決を目指します。 
(2)精神障がい者や知的障がい者に対する権利侵害や差別、偏見は根深いものがあります。また、地域の支援活動等も重要となります。 
そのため、障がい児、障がい者及び高齢者などの方々に対して、親なき後問題も含めて成年後見制度と未成年後見制度を活用し、行政書士の強みを活かしながらその周辺業務も含めて権利擁護支援に取りくんでまいります。 
(3)ヤングケアラーの問題について、福祉関係事業者と連携し、制度の活用や改善による解決を進めてまいります。 
(4)行政書士制度における女性役員の割合が低いなどの課題意識を持つと同時に、内閣府男女共同参画推進連携会議業界における女性の活躍推進チームに参画し、女性行政書士の活躍についての促進を図っています。

詳しくはパンフレットをご覧ください。

今までの取組状況

日本行政書士会連合会はSDGsの達成に貢献します。

日本行政書士会連合会はSDGsの達成に貢献します。