平成26年6月
=会長談話=

「行政書士法の一部を改正する法律」(平成26年6月27日・法律第89号)の成立について

日本行政書士会連合会
会長 北 山 孝 次

  このたび、「行政書士法の一部を改正する法律案」について、第186回国会(常会)における衆議院本会議(6月13日開催)及び参議院本会議(6月20日開催)にて、両院とも全会一致による可決を経て成立し、6月27日に公布されました。改正法の施行は、公布の日から6か月後とされています。
  この改正により、長年の悲願であった行政不服申立ての代理権が、一定の研修課程を修了した特定行政書士に付与されることとなりました。官公署に提出する書類等の作成・提出を行うことを業とし、行政に関する手続を熟知する行政書士が、行政不服申立てまで一貫して 取り扱えることとなれば、国民利便の一層の向上に資することとなり、また、行政書士の専門的知見と経験を行政不服申立てに活用することにより、簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済にもつながるものであると考えます。このことは、時を同じくして、今国会で成立した改正行政不服審査法の、1.公正性の向上、2.使いやすさの向上、3.国民の救済手段の充実・拡大という行政不服審査制度見直しの趣旨にも適うものです。
  行政不服申立ての代理権付与により、官公署に提出する書類等の作成・提出、聴聞・弁明の機会の付与手続の代理といった従来の行政書士の業務は、準司法手続という新たなフィールドにその業域を広げることとなります。適正に業務を遂行し、国民の権利利益を擁護するためには、今まで培った行政書士の専門的知見に加えて、当然に、新たな業務分野における相応の知識や技能の習得が必要となります。
  今後、日行連では、会則・規則の改正を行い、特定行政書士養成のための研修体制の整備等必要な措置を講じてまいります。会員の皆様におかれましては、今後実施いたします研修等に積極的に参加いただき、特定行政書士となり、新たな業務分野においても国民の利便、国民の権利擁護に資する「国民に寄り添う行政書士」としてご活躍いただくようお願いいたします。
  最後になりましたが、今回の行政書士法改正は、国会議員の先生方はじめ、全国の行政書士会、会員の皆様のご理解とご協力、多大なるご支援のもとになし得たものであります。関係の皆様にはあらためて深謝申し上げますとともに、今後とも国民の負託に応えるべく行政書士制度の更なる発展のための活動を推進してまいりますので、引き続きご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

以上