行政書士法第19条第1項及び第23条の3の改正の趣旨等について

日本行政書士会連合会
会長 宮本   重則   

 行政書士法の一部を改正する法律(令和7年法律第65号。以下「改正法」という。)が令和7年6月13日に公布され、令和8年1月1日から施行されます。改正法の施行まで2か月となり、あらためて改正後の行政書士法(昭和26年法律第4号。以下「法」という。)第19条第1項(業務の制限規定の趣旨の明確化)及び第23条の3(両罰規定の整備)の趣旨等についてお知らせし、関係各位のご理解を賜りたいと存じます。

 まず初めに、改正法により法第19条第1項の行政書士又は行政書士法人でない者による業務の制限規定に、「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」の文言が加えられました。
 この改正は、コロナ禍において、行政書士又は行政書士法人でない者が給付金等の代理申請を行い、多額の報酬を受け取っていた事例が散見されたことから、「会費」、「手数料」、「コンサルタント料」、「商品代金」等のどのような名目であっても、対価を受領し、業として官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類、実地調査に基づく図面類を作成することは、法第19条第1項に違反することが明確化されたもので、これらは現行法においても変わりはなく、改正法の施行日前であってもこうした行為があれば同条に違反することになります。
 次に、改正法により法第23条の3の両罰規定に、行政書士又は行政書士法人でない者による法第19条第1項の業務の制限違反に対する罰則が加えられ、違反行為者が罰せられることはもとより、その者が所属する法人に対しても百万円以下の罰金刑が科せられることとされました。

 当会といたしましては、これらの改正趣旨を踏まえ、行政書士又は行政書士法人でない者による違反事案に対して、関係機関とも連携のうえ厳正に対処し、もって国民の権利利益の実現に資することとしておりますので、今後もご理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。