本年10月16日から、外国人が、我が国で貿易業等の起業、既存の事業を経営又は管理する活動を行う際に必要な在留資格である「経営・管理」の許可基準が見直されました。
「経営・管理」の在留資格については、許可基準が諸外国の同様の制度と比べて緩く、一部の外国人に移住の手段として悪用されている等の指摘や在留審査において事業の実態がないと判明する事案が散見されるなどの問題も指摘されたことから、その不正な利用を防止・抑止するため、許可基準について、資本金の額又は出資の総額を500万円から3,000万円に引き上げること、経営者として在留しようとする者に対する学歴・経歴要件を新設すること、1人以上の常勤職員の雇用を義務付けるほか、申請者又は外国人の常勤職員に相当程度の日本語能力を求めること等の見直しが行われました。
在留資格「経営・管理」の取得に必要な「在留資格認定証明書交付申請書」等の作成は行政書士の業務であることから、かねてより、本会では、依頼を受けて在留資格「経営・管理」を取得する際には、関係法令を遵守するよう各都道府県行政書士会を通じて全国の行政書士に周知徹底してきたところですが、この度の許可基準の見直しを踏まえ、さらにその徹底を図り、外国人による経営活動等を通じて我が国の経済社会の発展に貢献していただくという在留資格「経営・管理」の本来の趣旨に即した適正な運用が図られるよう貢献してまいります。
我々行政書士は、外国人の在留期間更新許可申請等の在留諸申請や在留カードの記載事項変更等の手続について、外国人本人の申請等の取次ぎを行うことを可能とする「申請等取次制度」を通じて、30年以上に亘って外国人の適正な在留に寄与してきた実績があり、引き続き出入国管理制度に貢献する国家資格者として、外国人との秩序ある共生社会の実現に寄与してまいる所存です。

令和7年12月4日
日本行政書士会連合会
会長 宮 本 重 則