現在、「司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案」が、今国会(第198回)に提出され、参議院で審議されております。

 その中で私共として特に目を引くのは、司法書士法第1条の目的規定を改正し、「司法書士は、この法律の定めるところによりその業務とする登記、供託、訴訟その他の法律事務の専門家として、国民の権利を擁護し、もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする。」という使命規定とする改正案です。

 本会といたしましては、総務省等関係機関との意見交換も行い、この使命規定への改正については、「目的であれ使命であれ理念規定の改正に止まり、職務規定の改正ではないので、直ちに業際に影響を及ぼすものではない」と整理し、今後の司法書士業界の動向を注視することとしたところです。もとより、今後業際に影響を及ぼすようなことが企図された場合には、総務省とも連携を取りつつ、相応の対応をしてまいる所存です。

 なお、「国民の権利を擁護」することについては、行政書士業界としても、行政不服申立という事件性ある法律事務に関わる権限も認められたことを一つの契機として、現在の行政書士の実態を反映すべく、目的規定の内容に関し、同様の改正のお願いを推進しているところです。

 本会といたしましては、引き続き、国民目線に立って隣接士業界の業際に関わる動向に注意を払うとともに、国民の皆様が行政書士に対する正しい認識のもと行政書士による法的サービスを適切に享受していただけることとなるよう、早期の行政書士法改正を目指してまいります。

 

平成31年3月20日
日本行政書士会連合会
会長 遠田 和夫